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鴨の肉汁とアブラの詰まった料理

カスレは、フランスの南西部、ラングドック地方やピレネー地方の名物料理です。
とても単純に言うと、白インゲンと鴨やヒツジ、ソーセージなど何らかの肉類をグツグツと煮込んだもの。地方や家庭によって、その組み合わせはそれぞれ変わるようです。

中でも私が好きだったのは、鴨とソーセージを使った「トゥールーズ風」。トゥールーズ(写真右)は街中が赤レンガで彩られ、「バラ色の街」と言われる美しい街です。
私が「カスレ・トゥールーズ風」を食べたのは、「Le BonVivre(ル・ボン・ヴィーヴル、「よき人生」というような意味ですね)」。オレンジ色のちょっと薄暗い灯りの中に、赤と白のギンガムチェックのテーブルクロスが所狭しとならぶ、温かみのある田舎風のレストランです。

直径25センチほどの丸い土鍋に、豆と鴨肉、ソーセージがフツフツと音を立てて出てきました。上にかけた、焦げたパン粉をサクサクとフォークで割り、柔らかい豆と鴨肉、そしてそれから溢れ出る鴨のアブラをふうふうと冷ましながら一緒に口に放り込むと、ソボクな味で口全体が満たされます。
確かにうまいのですが、何しろアブラっぽくて量が多い。鴨肉やソーセージから出るアブラだけでは飽き足らず、「グースファット」と言われるガチョウのアブラを足して煮込むのですから……。

私は半分も食べられなかったこの料理を、トナリのテーブルのフランス人が、こってりしたフォアグラのオードブルの後に食べきっていたのを見て、その胃袋には感嘆の声をあげざるを得ませんでした。
今回、紹介するレシピは、日本人向けにちょっとアブラを少なめに、量は半分くらいにしてあります。






鴨もも肉(かたまり) 100グラム
ソーセージ 2本
ベーコン(かたまり) 100グラム
白インゲン豆 150グラム

たまねぎ 1/2個
エシャロット 1個 / にんにく 2片
トマト 1個 / チキンコンソメ 10グラム
水 4カップ / 白ワイン 50cc
グースファット(がちょうの油) 大さじ3

ローリエ 1枚 / パセリ 少々
パン粉 少々 / 塩・胡椒 適量


作り方8でインゲンを入れた後は、
水分にとろみが出てきて材料が焦げやすくなるので、こまめにかき混ぜてください。グースファットは輸入食材店や大きなスーパーで、
一瓶600円くらいで売っています。
白いんげんは乾燥した状態で販売されています。


今回の料理は、しっかりした赤ワインのラングドック地方のワインと合わせてみました。ガチョウや鴨などから出た脂で少々こってりした料理で、独特の風味やクセを持った料理ですので、酸味がほとんどなく、しっかりとタンニンが感じられ、なおかつスパイスなどのニュアンスが感じられるワインを選びました。写真は Chateau Puech-haut(シャトー・ペーシュ・オー)というコトー・デュ・ラングドックのワインです。もちろん、重めの赤ワインであれば、ほとんどのワインとあわせることができ、特にスパイス系の香りを持った、コート・デュ・ローヌ、南西地方のワインとも相性がよいでしょう。飲む温度は18度が目安です。今の季節(4月)であれば、室温で飲めます。


1、白インゲン豆は前もって1晩水につけておく。

2、チキンコンソメは4カップ分の水に溶かして火に掛けておく。

3、鴨肉は1口大にぶつ切りし、ソーセージは2センチくらいに、ベーコンは2センチぐらいの拍子切りにしておく。
タマネギとエシャロット、にんにくは薄くスライスする。

4、フライパンにグースファットを入れて火に掛け、まずは肉類をよくいためる。
さらに薄くスライスした野菜類を入れて弱火で10分ぐらいいためたら、全ての材料を2に入れる。

5、使ったフライパンは洗わずに白ワイン50ccを入れて旨味をこそげ落としたら4にいれる。(デグラッセ)

6、さらに4に湯むきしてぶつ切りにしたトマトとローリエを入れてあくを取りながら弱火で1時間煮る。

7、水につけていた白インゲン豆は柔らかくなるまでゆでて水気を切っておく。

8、6にゆでた白インゲン豆を入れてさらに弱火で30分煮る。最後に塩・胡椒で味を整える。

9、煮た後、別の容器に移し、表面にパン粉とパセリのみじん切りをふりかけ、200度のオーブンで10分間焼いたら出来上がり。
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