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旅 のテクニック パリからワイン産地へ!

パリから、ワイン産地への移動のお話です。「日本からフランスへ!」で書い たとおり、私は、日本からフランスに行ったら、一泊目はパリに宿泊するほうが好きです。長い飛行機の旅でヘトヘトになりながらも、夜のパリの街に出て、レ ストランやビストロでご飯を食べるのが何よりの楽しみなのです。

ですから、ストップオーバーで、飛行機(あるいは提携の鉄道で)別の都市に行く以外は、いったんパリに入ります。ストップオーバーの場合、パリ―他の都市 間の出発がシャルル・ド・ゴール空港になりますから、いったんパリの街に出て、シャルル・ド・ゴールに戻るのもバカバカしいので、やむを得ず、その日のう ちに可能であれば移動することにしています。ストップオーバーは、日本―フランス間の航空券に他の街への移動料金がインクルードされているので、お得では あるのです。

ワイン産 地へは、基本、TGVを使うのが便利

そんな例外は除き、基本、パリの街に出ます。パリの街に出ても、ワイン産地 への移動はなんら問題はありません。空路であれば、シャルル・ド・ゴール空港よりもパリ市街から近いオルリー空港がありますし、また、フランス国内は鉄道 での移動がけっこう便利だからです。鉄道の駅は、パリの中心を囲むように、向かう方面によっていくつかのターミナル駅があります。

感覚値にすぎませんが、ワイン産地の中で、鉄道より飛行機のほうが便利、というエリアはそう多くないと思います。フランスにはTGVという超高速列車が 走っていますから、広いフランスでも、たいていの場所はあっという間に着いてしまいます。加えて、季節によってまったく違う表情を見せるフランスの広大な 大地を走り抜けていけるのは、鉄道の旅ならではです。ブドウ畑はもちろん、まっ黄色に輝く菜の花畑、緑色の牧草が覆う丘、そしてときどき現れる古い街並 み……そうした景色を眺めるうちに、気がつくと目的地、というわけです。

飛行機のほうがいいと思うのは、南西地方より南のフランス(ラングドック・ルシヨン、ピレネーなど)、コート・ダジュールくらいでしょうか。さすがにこの あたりは、TGVでも5時間くらいかかってしまうからです。時間に余裕がなければ、飛行機を利用したほうがいいかもしれません。
ブルゴーニュや南仏への玄関口、リヨン駅。この駅内にある「ル・トランブルー」はミシュランの星つきレス トランです。
産地を巡るには、レンタカーが必須!
さて、ワイン産地への移動と便宜上、書いてきましたが、実際には「ワイン産 地に近い町」への移動手段をここまで述べてきました。実際にワイン産地を巡ろうと思ったら、車なくしては難しいでしょう。バスや、近くの町を出発するワイ ンツアーもありますが、時間や回れる場所に制約があるので、可能であればレンタカーを借りたほうがいいでしょう。

だったらパリからレンタカーを借りれば手っ取り早いじゃないか。そう思った方もいるでしょう。ただ、パリの周辺は車の量が多く、もともとスピードを出しが ちなフランスの人々の運転についていくのはなかなか骨が折れます。

実は、かくいう私の海外発運転はオルリー空港スタート。レンタカーの営業所で、「ロワールに行くにはどの高速に乗ればいいのか」と聞いたら、ラテン的いい 加減さで「あっちにまっすぐ行けば自然に乗れるよ!」と教えられました。その通りにしたら、気がつくと、入るはずのなかったパリの中心地にいた……という なんとも情けない経験があります。もう旅に出るのはよそう。そう思ったくらい、つらい経験でした……。
TGVの車窓から見える景色から、「フランスは農業国」と実感できます。
「乗り捨て」を利用すれば、ワイン産地の「ハシゴ」もできる
ややこしい以外にも理由があります。ブルゴーニュ、ロワール、シャンパー ニュ地方くらいであれば、車でパリから移動しても、3時間程度で到着します。しかし、ボルドーやコート・デュ・ローヌ地方、ましてやコート・ド・プロヴァ ンスともなれば、そういうわけにはいきません。距離もけっこうあるので、近くの町まで鉄道で行き、そこでレンタカーを借りてワイン産地を巡るのが現実的で す。

車を借りれば、ワイン産地の「ハシゴ」も可能です。
たとえば、パリからロワールの玄関、トゥールあたりまでTGVで行き、そこでレンタカーを借ります。ロワールを回った後、南に向かえばボルドー、南東に行 けばブルゴーニュです。たとえばボルドーに行ったとしたら、ボルドーでレンタカーを返して、また、TGVでパリに帰ればいいのです。
同様に、ブルゴーニュとシャンパーニュ、シャンパーニュとアルザス、コート・デュ・ローヌとコート・ド・プロヴァンスもストレスなく「ハシゴ」できます。

TGVのチケットは、「日本で予約」がお勧め
最後に、TGVのチケットについて。
TGVは、自由席と指定席がありますが、日本のように車両が分かれているわけではありません。予約が入っている席が指定席、それ以外が自由席となります。 週末などはけっこう混んでいるので、指定席をお勧めします。

予約はターミナル駅に行けば現地でもちろん購入できますし、それが最も安いのは確かです。しかし、私はフランスで何度も鉄道で旅行をしていますが、それで も、1週間、2週間というような短期間の旅の場合、必ず日本の旅行代理店を通じて、予約していきます。そのココロは、「並ばなければならないから」。これ も感覚値ですが、日本の「みどりの窓口」よりも長時間並ぶ、という印象があります。それも旅の楽しさ、と思う方は別ですが、時間を有効に使おうとするなら ば、日本で予約・購入していくといいでしょう。

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