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ワインの町で生まれたフランス版「お袋の味」

ブッフ・ブル ギニヨンとは、「牛肉のワイン煮込みブルゴーニュ風」。フランス・ブルゴーニュ地方の最もよく知られた郷土料理です。

フランスが誇る世界最速の鉄道TGVで、パリから1時間40分ほど南東に走ると、ブルゴーニュ地方の中心の町、ディジョン(写真右上)に到着します。10月に訪れたとき、昼間でも厚手のタートルネックのニットに皮のジャケットが必要なほどの寒さ。大西洋岸や地中海に面したエリアとは異なり、暖流の影響がないため、冬の底冷えは厳しいのです。

そして、ブルゴーニュといえば、やっぱりワイン。名産のワインを使った、冷えた体を温めるブルゴーニュの「おふくろの味」というわけです。

とはいえ、この料理はブルゴーニュに行かなくても、パリのビストロやカフェのメニューにもよく登場するので、気軽に味わうことができます。今や地方料理ではなく、フランスの日常食として、立派な位置を占めているのです。

パリの町を見回すと、今でこそ多くは使われていませんが、右下の写真のようにどの建物にも必ず煙突が残っています。昔は暖炉に薪をくべ、長いこと、ぐつぐつとこうした煮込み料理を作っていたのでしょう。

そんな料理ですから、ごくごく小さな弱火で、煮込めば煮込むほどおいしくなります。ちょっと時間はかかってしまいますが、舌の上で牛肉の脂身がとろける瞬間、時間をかけた甲斐があったと納得できると思います。





牛肉(バラ) 300グラム
ベルギーエシャロット 1個
たまねぎ 1/2個 / にんじん 1/2本
パセリ 一枝 / にんにく 1片
長ネギ 10センチぐらい
セロリ 10センチぐらい
ローリエ 2枚 / タイム 少々
ビーフコンソメ 20グラム
(固形でも粒状でも可)
バター 30グラム / 赤ワイン 2カップ
小麦粉 大さじ1
トマトケチャップ 大さじ1
小たまねぎ 8個 / マッシュルーム 8個
芽キャベツ 8個 / ミニキャロット 8個
インゲン 4本
ベーコン(かたまり) 50グラム
塩、胡椒 適量


作り方5で肉はうまみが逃げないように
各面ともにしっかりと焦げ目が付くまで焼きます。
作り方6の作業をデグラッセといい、
肉を焼いた後の流れ出たうまみをワインによってすくいとります。


ブッフ・ブルギニヨンは辛口の赤ワインであれば、ほとんどのワインと相性がよい料理です。今回は料理にブルゴーニュワインを使ったので、飲むワインもブルゴーニュにしてみました。写真のワインは、ブルゴーニュの有名な作り手、「ルロワ」の手によるものです。同じ地方のワインは、風味や味が似通っているものです。ブルゴーニュならブルゴーニュ、ボルドーならボルドーと、料理で使ったワインと同じ地方のワインを合わせると、それぞれの風味が相乗効果を発揮し、よりおいしく味わえるでしょう。


1、肉は3センチくらいの角切りにしてあらかじめ作り始める2時間ぐらい前に
軽く塩、胡椒をして赤ワイン1カップ分に漬け込んでおく。

2、1.5リットルのお湯にビーフコンソメを入れ溶かしておく。

3、エシャロット、たまねぎ、にんじん、にんにく、セロリを薄くスライスし、
バター10グラムを入れたフライパンで弱火にしながら、しっかりと10分ぐらいいためる。
そこにケチャップと小麦粉をいれ、粉っぽさがなくなるまでいためる。

4、2のコンソメスープの中に3とパセリ、長ねぎ、ローリエ、タイム、ワイン1カップを入れ、沸騰させておく。

5、フライパンにバター10グラムを入れ、1で漬け込んでおいた肉を焼いて4に入れる。

6、肉を取ったフライパンは洗わずに、1で肉を漬け込んでいた赤ワインを入れてうまみをこそげおとし、5に入れる。
スープは、弱火でアクを取りながら3時間ぐらい煮る。

7、小たまねぎとミニキャロットは皮をむき、インゲンは半分に切る。
ベーコンのかたまりは、3センチの拍子切りにして芽キャベツとともに沸騰したお湯でゆでておく。

8、7で下ごしらえした野菜とマッシュルームを、バター10グラムを入れたフライパンでいためる。

9、6から肉を取り出して、スープを漉す。そこに肉と8の野菜を入れて塩、胡椒で味を調えて出来上がり。
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