HOMEへ戻る
初歩講座 ワインに合う料理 ワイン物語 ワインのある旅 こんなワインの飲み方があってもいいよね会議 ワインインデックス



ほっこりした秋のソース

フランスの秋の風物詩といって思い出すものの一つに「栗」があります。パリのグラン・パレ付近を歩いたりすると、並木道の下に、自然に落ちた栗の実が落ちていたりします。拾って食べたことはないので、おいしいかどうかは分かりませんが……。

秋にフランスの地方を巡るとき、栗を使った料理を食べるのもまた、一つの楽しみです。秋の終わり、もう冷たい風が吹きすさび、ブドウの葉の色も黄金に変わるころ、ブルゴーニュを訪れたときのことです。

ジュヴレ・シャンベルタン村のレストランで、仔牛の腎臓(ロニョン)を栗のソースで食べました。ほんのり甘い栗のクリームソースが腎臓の臭みをやわらかく包み込み、なんとも滋味深い味わいです。ミシュランのフォークマーク(サービスを問うマーク)は一つ。日曜日でほかに空いているレストランもなく、期待を持たずに訪れたレストランでしたが、ポアローのビーツソース、鶏のテリーヌ・クリームマスタードソースなど、どれを取っても素晴らしい料理でした。

そんな記憶を辿りながらつくったのが今回の料理です。さすがに腎臓は手に入りにくいし、臭みも強く食べにくいので、フィレ肉のステーキに栗のソースをあしらってみました。栗は面倒な食材ですが、最近はむき栗も簡単に手にはいるので、秋から冬の寒い夜に、ほっくりと温かい料理をどうぞ。

ソースはフィレ肉の繊細な旨味を引き立てる、比較的軽めのソースです。また、付け合わせは、秋を意識した食材で山の香りが楽しめます。ですからワインはあまり強すぎないブルゴーニュの中でも、土やキノコ、スパイスなどのニュアンスをもったワインと相性がいいでしょう。ただし、今回私たちはボルドーの中でもとても繊細なシャトー・ル・ピュイを合わせました。定石にとらわれず、「あのワインなら合うかも……」と合わせてみるのも、また楽しいのです。






牛フィレ肉 200グラム
(100グラム2枚・厚さ4cm)
グラス・ド・ヴィヤンド 100CC
(市販のもの、なければフォン・ド・ボーを煮詰めて塩、胡椒で適宜味付けをする)
甘栗 5個(市販のもの)
生クリーム 20CC
バター 20グラム
塩・胡椒 適量
ポロねぎ 5センチ
(なければ下仁田ねぎで代用)
椎茸 4個
舞茸 30グラム
マディラ酒 10CC


好みもありますが、フィレ肉は生の風味も味わいたい肉なので、表面はこんがり焼きあがっていても、レアな部分が冷たいままにならないようにします。季節によって違いますが、あらかじめ焼く前に常温に近い状態にしておくのがポイントです。さらに表面に焦げ目をつけた後に、オーブンで少しの時間蒸し焼きにすることで肉汁を肉に封じ込めます。


ソースはフィレ肉の繊細な旨味を引き立てる、比較的軽めのソースです。また、付け合わせは、秋を意識した食材で山の香りが楽しめます。ですからワインはあまり強すぎないブルゴーニュの中でも、土やキノコ、スパイスなどのニュアンスをもったワインと相性がいいでしょう。
ただし、今回私たちはボルドーの中でもとても繊細なシャトー・ル・ピュイを合わせました。
定石にとらわれず、「あのワインなら合うかも……」と合わせてみるのも、また楽しいのです。


■ソースを作る

1、栗をこし器でこしてパウダー状にする。

2、グラス・ド・ヴィヤンドを火にかけ、バター10グラムとパウダー状の栗を入れて、泡だて器などでかきまぜる。最後に塩・胡椒で味を整える。生クリーム は別途温めておく。

■付け合わせを作る

1、ポロねぎは小口切りにする。椎茸と舞茸は1センチ角のサイコロ状に切っておく。

2、フライパンに火をかけ、バター10グラムを入れ材料すべてを炒める。塩・胡椒で味を整え、最後にマディラ酒で風味付けをする。

■肉を焼く

1、肉は今の時期なら少なくとも1時間前に冷蔵庫から出し、常温の状態に近づけておく。
また、焼く前にオーブンを250度に熱しておく。

2、しっかりと熱した鉄板(フライパン)で軽く塩・胡椒した肉を焼き目が出るまで軽く焼く。
両面焼き目ができた肉をあらかじめ250度まで熱したオーブンでさらに2分ぐらい焼く。

3、肉と付け合わせを皿に盛りつけ、ソースと生クリームをかけて出来上がり。
Copyright©2008 atelier-v (E-mail:mail@atelier-v.jp)*本サイトの記事および写真・画像の無断転載を禁じます