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南仏の香り漂うフランス風天ぷら |
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フランス・ブルゴーニュ地方のボーヌという町を訪れたときのこと。 ミシュランガイドにも載っているような、そこそこ立派なレストランで出てきたデザートに仰天しました。あの中華料理で使うレンゲの上に、色鮮やかなアイスクリームが乗って出てくるではありませんか! また、他のレストランのメニューの中で、見たことのない食材がソースに使われていました。その正体は、「マンゴー・チャツネ」。カレーなどの調味料に使われる、あれです。 そしてまたあるとき、パリで南仏料理の本を買ったら、今度は「TEMPURA」の文字……。天ぷらです、なんと。南仏(写真右上・南仏のエクス・アン・プロヴァンスの町並み)ではもともと、光あふれる大地の恵み、野菜や魚を衣につけて揚げる「ベニエ」という料理があるのですが、この本ではこれをわざわざ「天ぷら」と呼んでいたわけです。 このように、フランスの料理界では、日本やアジアのエッセンスを取り入れることが一つのブームのようでした。 とはいえ、この本に載っていた「TEMPURA」、私から見るととても新鮮。南仏の市場(写真右下)でよく見かけたアンチョビやトマト、ズッキーニ、オリーブなどを素材に使っていたんです。食べなれた天ぷらではなく、たまにはこんな「フレンチ・テンプラ」もいいな、と、私なりにアレンジしてみました。 今回ご紹介する「テンプラ」は、フランスでよく使われるエルブ・ド・プロヴァンス(プロヴァンスのハーブ)を衣に混ぜています。パスタに混ぜても、トマトを使った煮込み料理の香り付けにも抜群の力を発揮します。 南仏の香りを、食卓にどうぞ! |
小麦粉 1カップ
冷水 3/4カップ / 卵 1個 エルブ・ド・プロヴァンス 小さじ3 レモン 1/2個 チリペッパー 適量 / 塩、胡椒 適量 ズッキーニ 1/2本 なす 1/2本 インゲン 4本 アスパラガス 2本 小たまねぎ 2個 ふきのとう 2個 ヤングコーン 2本 チャービル(セルフィーユ)2本 |
テンプラの衣はさっくりと混ぜ、 冷水を使うことによってカリッとした衣になります。 「エルブ・ド・プロヴァンス」は、 ローズマリー、バジル、タイム、マジョラム、キダチハッカの乾燥ハーブを 混ぜ合わせた、南仏ではとてもポピュラーな調味料です。 日本でも、大きなスーパーや輸入食材店で手に入ります。 |
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今回の料理はハーブやスパイスをふんだんに使ったプロヴァンス風です。 同じ土地で作られるスパイスやフレッシュハーブのニュアンスを持った、フランスの南部で作られるタヴェル・ロゼやプロヴァンスの白やロゼワインが合います。いずれも2000円以下で手に入ります。写真はコート・ド・プロヴァンスのロゼ。 |
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1、材料のズッキーニとナスは輪切りに、インゲンはすじを抜く。小たまねぎは皮をむき、野菜の下ごしらえをしておく。 2、小麦粉に冷水とといだ卵、エルブ・ド・プロヴァンス小さじ2を入れ、さっくりと混ぜ合わせて衣を作る。 3、野菜の水気を切り、衣を着けて180度の油で揚げる。 4、チャービルで飾り付けをし、チリペッパーを混ぜた塩やエルブ・ド・プロヴァンスを混ぜた塩、レモン汁をかけるなど、 お好みの方法で召し上がってください。 |
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