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海の男たちが作るフランス風「魚のごった煮」 |
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ブイヤベースというと、透き通ったトマト味のスープの中に、大きな海老やカニ、貝類がギュウギュウに密集している、そんなビジュアルが浮かびませんか? ちょっと高級感すらありますよね? もちろん、こうした「日本風ブイヤベース」もおいしかったりするのですが、南フランスの港町、マルセイユで食べると、ちょっと趣が違います。 マルセイユ(写真右)といえば、リュック・ベッソン監督の「TAXI」で有名になりましたが、確かにどこの港町にも共通する「荒くれ者が多い」雰囲気はありました。 さて、そんな町で食べられているブイヤベースは、いわば「漁師の料理」。漁師たちが漁から戻り、獲れたての新鮮な魚を鍋にぶち込んで煮たのがその起源だそうです。日本の港町でも、地元の料理屋さんで新鮮な魚の鍋を食べられたりしますよね? あれと同じです。 だから、どちらかというと「ごった煮」的で、高級な魚介類を使ったりしません(観光客向けは、高級魚介類入りもありますが)。スープもアクやら内臓やら骨やらが混じった、ドロっとしたものなんです。 そんなちょっと臭みのある魚のごった煮に、「アイオリ」といわれるニンニク入りマヨネーズをフランスパンに乗せて、これでもかというくらい沈めます。パンにマヨネーズとスープがしみこんだところを食す。信じられないかもしれませんが、これが絶妙の取り合わせです。 さすがにどろっとしたスープは食べにくいので、日本版「ブイヤベース」のさらりとした味わいを少しだけ取り入れ、アレンジしたのが右のレシピです。アイオリを加えるだけで、これまで味わったことのない風味が楽しめると思います。 マルセイユは、昼間は南仏の陽光が燦燦と降り注ぐ町。とはいえ、北海道くらいの緯度なので、夜になると冷え冷えとした風が吹きすさびます。夏に汗をかきかき楽しむのもよし、冬の夜、ニンニクの恵みで体を温めるのもよし、です。 |
ベルギーエシャロット 1個
たまねぎ 1/2個 長ネギ 10センチくらい / にんじん 1/2本 パセリ 一枝 / にんにく 2片 セロリ 10センチぐらい トマト2個 / ローリエ 2枚 サフラン 少々 / タイム 少々 野菜コンソメ 20グラム (固形でも粒状でも可) オリーブオイル 大さじ2 白ワイン 1/2カップ 白身の魚 2切 / アサリ 200グラム 有頭えび 2尾 / ホタテ 2個 ワタリガニ 1匹 / 卵黄 1個分 マヨネーズ 適量 / バゲット 1本 塩、胡椒 適量 ※魚介類は、お好みで好きなものに変えたり、種類を少なくしても大丈夫です。 |
ここで使うエシャロットは日本で食べられているらっきょうのような白いエシャロットとは違います。日本ではベルギーエシャロットと呼ばれている、小型の細長いたまねぎのような形状のものです。 作り方6では魚介類に火が通ればよいのであまり煮過ぎないようにすることで魚をおいしく食べられます。 |
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ブイヤベースの発祥の地とされるマルセイユの近くで作られる、カシス(Cassis)という辛口の白ワインがよく合うといわれています。このワインは、日本で1000円〜2000円程度で購入できます。 このほか、コート・ド・プロヴァンスなど、フランスでも暖かい地方で作られる酸味が少なくすっきりとした辛口の白やロゼワインでも合うでしょう。これらのワインは、比較的価格が安く、1000円以下で買えるものも少なくありません。ラベルもかわいいものが多いので、食卓の彩りにもなります。 |
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1、1.5リットルのお湯に野菜コンソメを入れ溶かしておく。 2、魚介類をあらかじめ計量した半分の白ワインに漬け込んでおく。 3、エシャロット、たまねぎ、にんじん、にんにく、セロリを薄くスライスし、 オリーブオイルを入れたフライパンで弱火にしながら、しっかりと10分ぐらいいためる。 4、1のコンソメスープの中に3とパセリ、長ねぎ、ローリエ、タイム、湯むきしたトマトをいれる。 沸騰したら計量した半分の白ワインとサフランを入れ、さらに漬け込んでおいたワタリガニを半分にして入れる。 アクを取りながら弱火で30分ぐらい煮込む。 5、市販のマヨネーズに、卵黄とつぶした一片のにんにくをいれかき混ぜる。 6、のワタリガニを取り出し、スープを漉す。 漉したスープにワインに漬け込んでおいた残りの魚介類とワタリガニをいれ火が通るくらい煮込んだら、 最後に塩、胡椒で味を調えて出来上がり。 7、で作ったマヨネーズソースをバゲットに塗り、スープに浸しながら食べる。 |
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