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甘くない「食事用」クレープ

フランスでは「クレープ」はチョコレートやクリームを挟んだ甘い「デザート」であり、そば粉と塩を使い、魚介類や野菜、チーズを具材とし、食事用に供される「ガレット」とは厳然たる区別があります。

「ガレット」はフランス・ブルターニュ地方の郷土料理。フランスでも北に位置するこの地方では、そば粉は寒冷地でもよく育つため、この料理が広がったといいます。
ブルターニュには、やはり本場だけあって、写真のような「クレープリー」と呼ばれるガレットやクレープの専門店がたくさんあります。とはいえ、わざわざブルターニュ地方を旅しなくても、パリにもクレープリーはありますし、カフェ、街中にたくさんある「屋台」で気軽に楽しむことができます。

クレープリーでは、食事用にガレットを1つオーダーし、食後のデザートとしてクレープを食べるのが一般的。特にガレットは中の具材にボリュームがあるので、フランス人がガレット、クレープをペロリと平らげるのを見ると、「スゴイ」と目を見張ってしまいます。
しかし、フランス人に日本人の伝統的なご飯、味噌汁、焼き魚、おひたしといった伝統的な朝食の話をすると、「朝からそんなに食べるのか」と肩をすくめられてしまうので、まあ、これは生活習慣の違いということに落ち着くのでしょう。

ともあれ、ガレットの具材は、かつての「寒冷地の貧しい料理」というイメージはありません。今回のレシピでは、魚介のクリーム煮、ジャガイモとクリームチーズを紹介しましたが、ハム、チーズ、卵、トマト、カレーなど、好きなモノをなんでも包んでOKです。

でも、実は私が一番好きなガレットは、塩とバターだけのシンプルなもの。残念ながら、家庭の普通のフライパンでは、パリの屋台のような「カリッ」とした食感を再現できず、このシンプルなガレットの本質的なおいしさを味わうことができません。もし、パリを訪れたなら、ぜひ屋台などで試してみてください。





■ガレット
そば粉 40グラム / 小麦粉 10グラム
卵 1個 / 牛乳1/2カップ
塩 小さじ1/2 / バター 適量
■具材
ベビーホタテ 10個(100グラム)
スモークサーモン 4切れ(40グラム)
アスパラガス 2本 / 生クリーム 40cc
じゃがいも 小2個
クリームチーズ 40グラム
にんにく 1/2片 / バター 40グラム
白ワイン 50cc / 塩・胡椒 適量


作り方1で作った生地は、
30分ぐらい冷蔵庫で休ませてから作ると程よい粘りが出て、
焼き上がりがきれいになります。
作り方8の仕上げに4角を返す盛り付けの仕方にしましたが、
半分に折り返すやり方でも結構です。


ブルターニュ地方の名物であるガレットは、地元で生産されるリンゴで作ったシードルと言う微発泡のお酒がよく合います。
日本では辛口のシードルがなかなか手に入らないので、今回はアルザスのワインで、リースリングという白ワインに合わせてみました。
このワインは適度な酸味とリンゴや柑橘系の香りが特徴のワインで、ほのかに甘さを感じさせるワインです。ガレットの塩味とも絶妙の相性を見せました。


1、分量を量ったそば粉と小麦粉はふるいにかけて、その中に卵、牛乳、塩を入れ泡だて器でしっかりと混ぜ合わせる。

2、スモークサーモンは3センチぐらいに切り分けて、ベビーホタテとともに50ccの白ワインに漬け込んでおく。

3、アスパラガスは5等分にして下茹でしておく。

4、バター20グラムを入れたフライパンを熱して2、3の材料を炒める。
火が通ったら生クリーム40ccを入れて塩・胡椒で味付けする。

5、じゃがいもは皮をむき1センチの角切りにする。沸騰したお湯で3分ぐらい茹でて、ざる等に空けて水気を切っておく。

6、バター20グラムを入れたフライパンを熱して5のじゃがいもを炒める。
塩・胡椒で味を調えたら火を止め、細かく切り分けたクリームチーズを混ぜ込み余熱で溶かす。

7、フライパンを熱し、1で作った生地をお玉などで流し込み、丸い部分で円を書くように1ミリ位に伸ばし、弱火で焼き上げる。

8、7でつくったガレットに4の具材、6の具材を円の中心に入れる。各々円の4角を裏返して出来上がり。
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