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ピカソの街で食べた海の贈り物 |
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フランスのコートダジュール・ニースにほど近い場所に「アンティーブ」という町があります。ここはフランスの中でも、代表的なピカソゆかりの町です。コートダジュールの美しい海沿いにある中世の要塞だったグリマルディ城(写真右上)は、ピカソがアトリエとして多くの絵画、彫刻を製作した場所でもあり、現在では国立ピカソ美術館として多くの美術ファンを魅了しています。 南仏の数多の魅力あふれる町の中から、この町を訪れようと決めたのは、ピカソ美術館に立ち寄るという目的があったからです。 この町に着いて町を歩いてみると、目に付くのはレストランの看板の「パエリア」の文字。パエリアと言えば、やはり思い出すのはスペインです。 しかし、フランス南部の海沿いの地域ではスペイン国境からそれほど離れていないせいか、文化圏を同じくし、パエリアを食する習慣があるようです。また、地中海は海の幸の宝庫です。パエリアはその海の恵みを堪能するひとつの有効な料理法に間違いないのでしょう。 そんなパエリアの文字を横目に見ながら、私はまず、ピカソ美術館に足を運びました。バルコニーから見える青緑色の海(写真右下)はすばらしかったものの、残念ながら、パリのピカソ美術館ほどの作品量もなく、私の好みの作品もあまり見当たらず、正直がっかりしたのです。 美術館への胸いっぱいの期待から覚めると、やってきたのは空腹感です。そこで先の看板を思い出し、パエリアを食べさせるレストランに自然と足が向きました。 そこで食べたシーフードパエリアの味は、美術館への小さな不満など吹き飛んでしまうほどすばらしいものでした。鼻の奥をくすぐるサフランの香り、プリプリとした魚介類、魚介から出るスープとスパイスの絶妙なマリアージュ。 ふと思えば、ピカソはパエリアの本場、スペインの出身。ピカソもこの美味なるパエリアを食べて、故郷に思いを馳せたのでしょうか。ピカソを観るために訪れたアンティーブでしたが、期待とは少し違ったけれども、すばらしいピカソからの贈り物をもらった気分でした。 |
■パエリア
お米 2カップオリーブオイル 大さじ4 サフラン 少々 コンソメスープ2カップ ローリエ 1枚 / にんにく1片 ベビーホタテ 6個 / 鯛 2切れ あさり6個 / 海老 6尾 イカ 一杯 / アスパラガス 2本 パプリカ(赤・黄)各1/2個 白ワイン 50cc / 塩・胡椒 適量 ■アイオリソース 市販のマヨネーズ 大さじ5 卵黄 1個 / オリーブオイル 小さじ1 にんにく1片 |
作り方7で水分がなくなるのを注意してみておく。 水分がなくなったら火を止め、 蓋を取らずに10分ぐらい蒸らしてから食べるのがコツ。 また、自分の好きな魚介類やトマトを入れてもおいしく食べられます。 |
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しっかりとしていて、スパイスなどのニュアンスを持つコート・デュ・ローヌの白などがおすすめです。 また、辛口のロゼワインも相性がよいでしょう。どちらも冷やして10℃ぐらいで飲むと、より料理に合うと思います。 |
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1、お米は軽く研いでおき、ざるに空けて水分を切っておく。 2、コンソメスープ2カップに火をかけ、サフラン少々とローリエ1枚を入れ、塩・胡椒で味を整える。 3、具材の魚貝類と野菜は一口大に切る。 4、市販のマヨネーズにくだいたニンニクとオリーブオイルを混ぜ合わせて、アイオリソースを作る。 5、フライパンにオリーブオイルとにんにく1片をいれ、油ににんにくの香りをつける。 6、そこによく水気をきったお米を入れ、弱火で5分ぐらいしっかりと炒める。 7、いったん火を止めて、お米の上に魚介類と野菜を入れる、そこに2のコンソメスープと白ワインをいれる。 8、フライパンに蓋をかぶせて、弱火で水分がなくなるまで、15分ぐらい火を通して出来上がり。アイオリソースとともに食べる。 |
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